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2006年7月19日 (水)

テレビドラマ 「恋愛小説・十八の夏」豊川悦司の演出

みゅうは、単発テレビドラマも昔から大好きなのである。
しかしテレビドラマはとても非情だ。
一回放送してしまえば、再放送がいつやるか常に新聞のテレビ欄を注意していなければならない。とてつもなく気が長くならなければ、やっていられない。
でもそれだけに、とてもいい作品に出会えた時はとても幸せだ。
いままでも、衝撃的なテレビドラマとの出会いはたくさんある。
三枝健起演出、唐十郎作の「安寿子の靴」「匂いガラス」「雨月の使者」や、鶴橋康夫演出、野沢尚の「愛の世界」「東京ららばい」「雀色時」「刑事たちの夏」、笠浦友愛演出井上由美子の「熱い島・ヒートアイランド」、「天上の青」、木村淳の「ネコノトピア・ネコノマニア」、久世光彦の「恋子の毎日」「恋子の毎日Ⅱ」とか、映画に行く前の岩井俊二演出の「ifもしも・・打ち上げ花火はしたから見るか?上からみるか?」「ルナッティック・ラブ」、行定勲の「デッドボール」まだまだたくさんある。
放送ライブラリーでも見れるものあれば、ビデオも見れずどうにもならないものもたくさんある。
やはり注目している演出家はたくさんいる。僕が今一番注目している演出家は、誰かというと、俳優もやっているトヨエツこと、豊川悦司だ。
この人の演出は個性的で並大抵ではない。そんじょそこらの俳優がお遊びでやっているものではない。
これはおそらくデビュー作「美少女Hシリーズ・父帰る」や「つげ義春シリーズ・退屈な部屋」を見たときから尋常でない金の卵を見た衝撃を覚えている。
また初の長編「夫婦漫才」はその年のベスト1のドラマだった。雪山でが死んだはずの辻仁生が恋人のいる部屋に帰ってきて、水野美紀がひたすら冷やすという衝撃なストーリの「冷やす女」どれもとても個性的で豊川悦司意外に考えられないドラマである。
豊川悦司の演出には他にない特徴がある。
どの作品にも共通しているのは、印象的な重要なシーンには必ず逆光の窓際のシーンが出てくる。
「退屈な部屋」では漫画家ふんする主人公と、その妻のからみのシーン、「父帰る」では思春期の主人公の父を待つ姿のシーン、「夫婦漫才」では、初めて漫才をするシーン。
光が大きく広がる窓の前に俳優たちのほとんどが顔がほとんど見えない影だけの、逆光のなかに演技しているが、その誰もがあたかも不思議なオーラをはなっているごとくになる。俳優出身だと顔に光をあてることばかりになってしまうと思うのだが、俳優の演技を大事にしつつ大胆に逆光にしてしまうのだ。
また編集の切り替えしがとてもうまい。遠景とアップの切り替えの間にテンポよく別の場面が入ってくる。これはドラマ全体を把握していることができないと、作品としてダメになってしまうことがある。成功しているのは実相寺昭雄や、北野武に近いものがある。
ただ両者との違いは光の使い方がやわらかく女性的なのところかな。

今回の「十八の夏」はこの二つ特徴が大きくでている。
逆光のシーンは相変わらず、ぼろアパートの窓際に育てている朝顔のシーン。
また二人で飲みに行き、観月ありさが酔ってすこしばかり抱きついてくるシーン。
編集の切り替えしは川原で絵を書いている観月ありさの絵が風でとばされ、主人公の男の子が自転車で倒れながらキャッチするシーン。
一番多いアパートのシーンも薄暗い照明を屈指しながらのうすい光のあふれる部屋が見事に印象的。
俳優たちもすごく緩やかにそして内面の情感を豊かに演じている。
この作品の最もいいところは、人間の情感なのかもしれない。
話的には不倫している観月ありさに、不倫相手の18歳の息子が知らずに近づいていき、その心のやり取りがメインとなり特に目新しいものがあるわけではない。しかしこの情感を引き出しているのは演出力に違いがない。やわらかい中にも暖かいそしてその裏に隠れている激情を見事に表現にしているといえる。

なんにしても豊川悦司の次の作品も楽しみだが、おそらく俳優業も忙しいので、また当分先になるのかな。
すごく期待しているけど。
又テレビ欄とにらめっこをしていく日々が続いていく。

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コメント

初めまして。
私も豊川悦司さんが演出される作品が大好きです。
(もちろん役者としてのご本人も^^)
以前ドラマスペシャル「LOVERS」のなかで放送された
「聖セバスティアヌスの掌」という作品をご存知ですか?
これも豊川さんカラーが色濃く出ていたすばらしい作品です。

http://www.tbs.co.jp/lovers2003/report_b.html

投稿: なな | 2006年7月19日 (水) 16時02分

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