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2006年8月 6日 (日)

映画 ゆれる

<ネタばれあり注意>

「ゆれる」みました。 新宿武蔵野館。

すごい映画でした。おそらく今年のベスト1競争に入ることは間違いなし。全くその才能に嫉妬してしまうぐらいの演出力です。西川美和は。(べつに僕はクリエイターではないけれど・・・)

その嫉妬してしまうくらいの才能は、脚本。台詞がすごくうまい。なにしろ無駄な台詞が一つもない。それはドラマとしてリアリティをもちながら、しかも流れが途切れることなく、いちいちポイントをつく名台詞がポンポンと飛び出してくるからだ。最初方には、母の一周忌で久々に帰郷した弟のオダギリジョーが兄のガソリンスタンドに勤める幼馴染に、兄に嘘をついて彼女の部屋に入ってセックスしたときの台詞「舌出せよ」。また、後半に渡っては緊迫した法廷で、キム兄ふんする検事が兄である香川照之に必要迫る、「あなたは異性として、好意を感じていたのですか?」そして、オダギリジョーとの面会のやり取り「おまえは、逃げているだけだよ。おまえはだれも信用することなんかないんだよ」

また、展開も見事。つり橋から落ちるところを最初は写すことはしない。すべてはオダギリジョーの目の中、香川照之の体で感じているところしか、真実はしらない。後半にになってやっと真実が明るみにでてくる。そして弟思いの兄と、兄思いの弟が人間の奥底に潜む本音をされけだしながら。

まるで、黒澤明の「羅生門」の構成だ。

もう一つは、演出力。たとえば真木よう子が谷に落ちた後に、事故として最初扱われて、その夜父と、兄と、弟が食事をする場で、父が怒り、弟がそれを止める、もっと激高するかと思いきや、電話のベルがなる。電話を見つめる家族。場面が切り替わり、夜の川に靴だけが流れていく。あきらかに真木よう子の遺体が見つかったことを暗示している。見事。

みゅうも兄が二人いる。二人ともみゅうは大好きだし、共通の女性といえば、母親だけなので、映画のようなことになるわけがないので、安心。

兄弟の奥底に潜んでいる、不穏な感情を見事に引き出し、その感情が、また兄弟という肉親のもつ愛情により押さえ込もうとし、その二つが見え隠れするたびに、二人の兄弟の感情が、そして見ているものの心が揺れる。そんな映画でした。

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