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2006年9月17日 (日)

小説「照柿」 

高村薫の「照柿」を読みました。

<小説といえどもネタばれありますので、注意ねがいます。>

10年くらい前に単行本で読んだことがあるのですが、今回全面改稿ということで、文庫本上下を買ってきて読んだ次第です。

読み比べ的に読んだわけではないのですが、達夫の勤める工場の描写だとか、秦野組組長とばくちをする描写がより細かくなっているように思えました。

また、堕落していく合田の姿がすっきりとしている印象もあるかな。最後の台詞も変えているし。また合田が取り調べを受けているところに単行本では吾妻がやってきて外で森がいたと思ったが、今回は森しかこない。

どちらかというと、文庫本の方がすっきりしている感じがあるが、個人的に単行本の方が好きですね。やはり堕落していく合田雄一郎の姿がじわりじわりとくる。

最後、取調べを受けるシーンの台詞で、

「合田さん、あんたは普段ならやらないようなことをやったんだ。わかるか」「・・・ああ分かる」

「合田さんしっかりしてくれ。あんたらしくないぞ」

照柿の中で合田雄一郎の行動のすべての意味を含んでいるような気がする。また達夫は「俺は人殺しや」と叫んでいた原因が小さな頃の雄一郎が飼っていたカラスを青く塗ってしまい殺してしまったところから「お前みたいな人間は未来の人殺しだ」と断罪していることから遠い一因として今回の殺人が起こっていた気がする。

それにしても、熱いし、眠い小説でした。

ちなみこの作品は97年に井上由美子(当時新人)が脚本したもので、雄一郎役が三浦友和、達也役が野口五郎、美保子役が田中裕子でテレビドラマ化されている。

見事に小説の世界をリアルに現しているように思えました。

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