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2006年11月28日 (火)

映画 傑作なのに知られていない傑作映画1 「ダスト」

みゅうは先々週から先週にかけて引越しを行いました。

なんと引越しは大変なものなのでしょう。

荷物を運ぶことより、選別して捨てる、という作業があまりにもつらい。

まあ、引越し先も狭いことであるし、将来を考えればお荷物になるのは、「キネマ旬報」約10年分+アルファ(特集号25年分)

約10年前に引越しをしたときにそれ以前の15年分のキネマ旬報を捨ててしまったのです。そのときにはオールタイムベストテン、毎年のベストテン特集号を残していたのですが、今回はそれもちょっとと考えて捨ててしまったのです。

持って行くわけには、いかないのでした。今回の引越しで捨てようと覚悟はできていたのですが、いざ捨てるとなると、思い切りが必要でした。

古いキネ旬を積み重ねて、紐で結ぶ。それをゴミ捨て場に持っていく。

つらい作業でした。いや苦痛でした。

まあ、そんなこんなで、引越しも終わったのですが、そんな体力的にも、精神的にもつかれた状態で新宿ミラノ座に行き「クイーン・ライブ・イン・ブタペスト フレディーマーキュリー追悼15周年」と引き続き「ムーンライダース」30周年コンサートに渋谷CCレモンホール(いつから渋谷公会堂がこんな名前になったんだ!!!!)に行ってきてしまった。このことは後ほどブログに上げるとして、当日の夜から、思い切り高熱が出てきてしまったのです。現在4日目でした。

熱覚ましの薬と汗と高熱と格闘する毎日になってしまった。

そこで古いキネ旬との決別の思いを断ち切るため、まあ「知られていない傑作映画」シリーズを出そうと思います。

あまり知られていない映画で「ダスト」という映画があります。日本では2002年公開です。

私は2001年に東京国際映画祭が初見でした。まあすごい映画だと思ったものです。

現代のニューヨーク。老婆の家に強盗に入った黒人は、古い銃を持つ老婆に逆に脅され、「私の話を聞いたら、ここの部屋の中にある金貨のありかを教えてあげる」いわれ老婆の100年前のある兄弟ガンマンの話を聞かされる。この兄弟ガンマンの話がすごい。

初めはしぶしぶ聞いていたのだが、だんだんのめりこんでいく黒人。金貨のありかを知りたいということ、悪徳警官から金をせびられていることから、老婆が話の途中で心臓発作を起こしても、救急車を呼んで息子を装い、病院で話の続きを聞く黒人。

兄はマケドニアに行き、賞金稼ぎとなる。しかし弟はそんな兄に対し銃を向ける。

まあ、ここからがマケドニアの革命戦死たち、ガンマン兄弟、トルコ軍が絡んできて、一気に壮大なストーリーとなる。

しかし話しの途中で老婆は死んでしまう。金貨を見つけた黒人は老婆の骨を持って、マケドニアに向かう。その飛行機の中で、隣にいた女性から「その骨はだれの?」といわれ、話の続きを黒人が勝ってに作り語る。

このストーリ展開は、すごいもので現代と100年前を行ったりきたり、しかも一息もいれない。しかもすごく面白い。この映画のすごいところは、過去の話しを映像化しているのではない。人が都合のいいように作り上げていく話し。話しの切れ端に嘘があり、その嘘も含めて話は進んでいく。もしかするとこれは嘘の上塗りの話?でも先が聞きたい。そんな映画なのだ。

つまり構成が見事だけでなく、そこにはかなさも持ち合わせている。たとえば、結局この老婆はさみしく死んでいくだけなのか。いや黒人に看取られていた。でもそれが一国を左右した子供の末裔なのか??

いろいろ考えさせられる。とまあ難しく考えなくても、とてもファンキーな映画で飽きません。

監督は「ビフォー・ザ・レイン」というとても不思議なぐるぐる回りのオブニバス映画を作ったマケドニアの名匠ミルチョ・マンチェフスキー。

あまり知られていないのは、スター俳優がでていないため。雄いつの知っているのは兄弟ガンマンの弟が「ロード・オブ・ザ・リング」の第2部から出てくるファミリア役で出ていた人。

また、実はマケドニアって国がどこにあるか知っている日本人はどれだけいるででしょうか?(正直私は知らなかったさ!!)国際紛争で有名なバルカン半島の旧ユーゴスラビアなのですね。

日本人にいくら監督がミルチョ・マンチェフスキーだからといっても、知っている人はかなり達人の映画好きの人だけ。

どこをとっても知名度がないので宣伝のしようがなかったのですね。不思議なのは、なぜ映画評論家もあまりみていないのだろうか?試写会等も開かれなかったのかな。みていればキネ旬の上位には必ず入る映画であることは間違いない。

でも面白いですよ。この映画。血湧き肉踊る冒険と、正義と裏切りと復讐、そして政治紛争までが、うまくからんでいて、難しくない。なぜなら人が話している話を聞くように見れるのだから。

僕は近年にない傑作とおもっている。

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