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2007年1月 8日 (月)

映画 「我が故郷の歌」

新文芸座で見ました。<<ネタばれが含まれていますのでご注意を!!>>

この映画背景がわからないと難しいかもしれません。クルド人って知っていますか?

僕が知ったのは、確かフセインがイラク内にいるクルド人を化学兵器で何万人だかを虐殺したとニュースでよくでていましたね。

クルド人というのは、国家を持たない少数民族でとくに中東にいる民族みたいですね。

イランとイラクには多くいるそうです。イラン・イラク戦争の時にイラク側にいるクルド人たちがイラン側に加担するような動きがあったとのこと。それに怒ったフセインが虐殺をしたということですね。たくさんの難民が生まれたのですね。

この映画の主人公はかなり有名なクルド人老歌手。音楽は凄くイスラムな感じ。イラン側に住んでいるが、イランでは、女性が歌を歌っててはいけないとのことで、ずいぶん前に妻がイラク側へ駆け落ちしてしまった。

その妻から助けて欲しい(かな?)との連絡があり、中年に差し掛かった息子二人を強引に連れてイラクへと向かう。その旅がいろいろとあって面白い。みんなクルド人の人たちはこの老歌手を知らない人はいないみたい。イラクから逃げてきたイラン側の難民キャンプでは、息子たちと子供たちとドンちゃん、ドンちゃん歌いまくる。しかし飛行機の爆音は相変わらず。イラク側に行く前に盗賊に会い、足であったサイドカーのバイクも取られてしまう。

音楽だけでなく、文化の違いを凄く感じます。一夫多妻制もそのひとつ。老歌手の息子もミュージシャンであるが、キャンプにつくたびに女にいいよる。しかもその息子は7人の妻に14人の子供がいるが、全て女だそうだ。どうしても男が欲しいらしい。

イラク側に入ると様相が異なってくる。イラン側は岩と砂、さんさんと光る太陽ばかりであったが、イラク側に入るなり雪景色となってくる。

そしていきなりいままでいたキャンプが爆破されたり、雪景色のなかで化学兵器で誰もいなくなった街を目撃することになる。そしてかつての妻は・・・

ラストの老歌手が幼子を背に抱え雪山を歩きながら、イラン、イラクの国境鉄条網を越えていく姿は心に残る。

彼とともに、イラン、イラクのクルド人の姿を初めて目にした僕はかなりの衝撃を受けた。

そしてその衝撃はさらに「亀も空を飛ぶ」で更に大きくなっていく。

この監督は、1968年生まれというから、まだ30代(ギリギリ)の監督さん。ストーリテリング、群集の使いかた(みんな素人?!)すごくうまい。

実はこの映画2回目であるが、1回目は東京国際映画祭でコンペティション上映でした。しかし事前にどこかの映画祭に出品していたとして、受賞対象からはずされたのでした。そのとき来日するはずだったこの監督はショックのあまりいくことができません。とても東京国際映画祭にいき世界にこの映画とイラン・イラクのクルド人の状況を伝えたかった・・・とかなり悲痛な手紙を事務局の人が読んでいたのが印象的でした。

ちなみに「シティ・オブ・ゴット」「藍色青春(大門)」も同映画祭に同年に出品していたがこれも別の映画祭で受賞していたらしく、コンペ対象外になってしまった作品。こちらの監督はさすがラテンの血が流れているらしく笑って質疑応答に答えていました。この年の東京国際映画祭のコンペは凄くレベルが高く、あとあと活躍する監督がでていて、まあ見ていてレベルの高さには興奮したのですが、賞とは関係がないという複雑な後味を残しました。

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