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2008年4月12日 (土)

「長江哀歌」もう二度とないロケーション

さて、久々に作品についても書きます。

<ネタばれありますのでご注意ください>

新文芸坐にて見てきました。

とっても長い映画と思っていたので、覚悟をしていたのですが、眠くはならなかったです。

結論から言って、期待以上でも期待以下でもありませんでした。

三峡ダムに沈む街の人々の話と聞いていたので、たぶん取り残される人々の哀愁の話かななんて、思っていたので。

話は単純。二つの話が同時に並行する。山西省というところから、一人の男が妻と子供を捜しにやってくる。16年前に別れたらしい。妻がいまいるところが三峡ダムのそばらしい。ところが、尋ねてきた場所の住所は川の中。

茫然とする男。案内してきた男に対し、だましたなと言い寄るが、「僕の前の家もあの船の下あたりさ。」といわれる。安宿を案内され、やがてダムの水の底になってしまう家々を壊す日雇い労働者となりながら、妻と子供を捜す。

同じころに、やはり山西省から、一人の女が、夫を捜しにくる。

こちらは、ダム建設に関連しての会社の立ち上げた人なのか、どうやら経営者の女性を愛人に持つくらいの成金になっているようだ。

女は夫と会うなり、すぐに別れを告げる。愛想が尽きたのか。時代に乗って行けない自分とのギャップのためか。

一方男は、妻と再会できたが、どうも地元の人に兄の借金のために嫁に行っているらしい。なので兄の借金をなんとかすればいいでしょう。といわれる。男は一年待ってくれという。男は、危険な炭坑の仕事をして金を作るつもりで、三峡の街をさる。別れ際に家壊しの仲間は、みんな「おれも山西省の炭鉱にいくよ。」「危険だぞ。死者がしょっちゅうでるのだぞ」「それでもいくよ。」という。

このセリフに、この沈んでいく街の人々の思いが、この街が沈んでしまうからという思いが強くこもっている。

映像はなにしろ、ドキュメンタリのように、淡々。ホウ・ショオシェンの映画のよう。覚悟していたので眠らなかったけれど、覚悟していなかったら、眠っていたかもです。

しかし、沈んでいく街並み、壊していく街並みというのがすごく哀愁をさそう。廃墟とまでいかない、廃墟になっていく次第をみせていき、それを物語にダブらせているところが凄い。

時々みせる、高い所にかかっている、恐ろしいほど大きな橋。

壊れていく街並み、すごく大きなダム(出来上がると世界最大!!!)ができていく姿がほんとにすごい。

しかも時々映像の遊びを見せる。廃墟の建物がロケットとなり飛んで行ったり、男が山西省に帰ろうとする姿の後方のビルで、綱渡りをやっている男がいたり。かといって、リアリティや、物語を壊したりしない素朴さが感じられます。

また、妻を捜しに来た男の話では、妻と子供なかなかみつからなく苦労しているのに、夫を追ってきた女の話では、妻を捜しに来た男の16歳の子供らしき娘がでてきたり、男の妻が何気なく出てきたり、面白さもある。

といっても映像と、この辺あたりで、ダムで沈む街のはなしであれば、日本には「ふるさと」という、神山監督で加藤嘉の主演で名作がある。こちらの方が感動です。

まあ、スケールは全く違うけれどね。

ちなみ三峡ダムは、世界最大のダムになり、中国が世界に誇るダムになるそうで、産業に通じる電力事情もだいぶ変わり、経済的に大きな影響をあたえるとのこと。

しかしその影で150万人以上の人が移転を強いられていて、さらに三国志など、歴史的遺跡も沈み、さらに杜甫、李白が詠った風景も沈んでいくとのこです。

スケールの大きさには、わりに合わない庶民の人々の思いがこもっている映画だなだと思いました。

なにしろ二度とないロケーションの映画となっています。

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