2009年6月 1日 (月)

傑作なのに知られていない映画 「ギャラクシークエスト」

スター・トレックの映画版最新作が最近公開されて、好評を博している。

見る予定にしている。そちらについては、見てから。

それにしても、スタートレックの映画版第一作は凄く好きだ。

あまり、評判はよくないようだが、最初に見たときには、まさにスペースオペラっていうのは、この事をいうのではないか。と思ったほどだ。いままで見たことのないような、宇宙雲。謎に挑んでいくエンタープライズ号。勇気ある指揮官の決断。科学者の論理的な思考。当時中学生の僕はとても息を呑む世界が次々と見ることができ、興奮した。渋谷のパンティオンの大スクリーンで、朝から晩まで、3回も見た記憶がある。もともとのスタートレックファンには、クリンゴン帝国との戦闘がないとか、不評だったみたいだ。

彼等のようなスタートレックファンはトレッキーといって、それこそ熱狂的なテレビシリーズのファンがいるようだ。

そのファンと、スタートレックの出演者をもじって、秀作パロディを作ったのが「ギャラクシークエスト」だ。

つまり「ギャラクシークエスト」というテレビ番組がやっていて、とっくに終了しているが、多くのファンを集めている。が、かつての出演者は、それ以上の仕事をすることができず、飲んだくれの指揮官、蜥蜴の化身のスポックの様な男は、とてもその役が嫌いで振り返りたくもない。そんな元指揮官役のところに、熱狂的なファンと思われる人物が現れる。宇宙船を造ってきたので、我々に攻めてくる敵と交渉して欲しい。といい、テレビの撮影と思った指揮官は、その敵を攻撃してしまう。しかし彼等は本当の宇宙人で別の惑星にいて、記録映画として「ギャラクシークエスト」を見ていた。そして全く同じ動作をする宇宙船を作ってきたのだった。・・・・

ありあえない話しなのだが、すごく面白い。意外にラストは感動したりする。まさにパロディ映画史上の秀作。

是非スタートレックを見ている方は見た方がいい。本当にお勧めです。

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2008年8月12日 (火)

傑作なのに知られていたない映画 「シークレット・ワルツ」 どこにいったの野火明?!

あまり知られていない作品のシリーズ「傑作なのに知られていない映画」を久々に書いてみたいと思います。

まあ、なぜ書く気分になったかといいますと「夕凪の街 桜の国」という映画をみたからです。その中に伊崎充則が出ていたからです。この人最近でてこないな~、見ないな~と思っていたのですが夕凪の街 桜の国で久々に見て、元気にやっているじゃないか!と思い、最後に彼の主演で印象に残った、映画もしくはテレビドラマがなんだったけな?と思い、記憶をまさぐっていたところ、この作品「シークレット・ワルツ」を思い出しました。

といっても映画は、もう12年前に公開されております。

さてまずはこの映画の監督さんについて。私は12年前に

「この野火明は、日本映画を担う人になる」と思うほど才能があると思っていましたが、この「シークレット・ワルツ」以降はOVAでちょっと見たことがあるような気がしただけで、その後はぷっつりとみないですね。

野火 明さんっていう人は、かつて深夜番組でやっていた「えびぞり巨匠天国」という映像クリエイタもしくは将来の映画監督や映像作家を発掘しようという番組があり、その中で「ゾンビスープ」という作品を出品しております。この「ゾンビスープ」は、3分とはいえ、作品に対して世界観があり、かなりおもしろいペーソスに満ちた映画でした。

この番組もすぐに終わり、この番組に出ていた人達はどうなったのかな?と思っていたとき、何年か後にビジネスジャンプの自主映画コンクール(だったけな?)でグランプリを受賞した「ダイヤモンドの月」というのが15分くらいの作品を偶然ビデオに録画してあり(たぶん別の番組を録画している予定が間違えて)じっくり見たのですが、恐ろしく完成度が高い作品でした。この「ダイヤモンドの月」というのがオフシアターのコンクールで賞を取りまくり、ついにツイハークの目にとまり、一般映画を撮ることになった作品がこの「シークレット・ワルツ」です。

とってもナーバスで、異常な世界で、とても美しい映画でした。

主演は、これもあまり見ることがなくなった石堂夏央、その血のつながらない弟に伊崎充則、二人と出会うヤクザのヒットマンに当時沈んでいた堤真一、さらに脇を固めるヤクザに高田純次(シリアスな役を見たのはこれが最初で最後だが、かなり渋くて良かった!)その親分に佐藤充。

物語は恐らくPTSDを抱えた姉と、その姉と共に車から盗み等で暮らしていて、さらに姉に姉以上の感情を持つ弟の姉弟を中心に話が繰り広げられる。

ある日瀕死のヒットマンを助けたことから、姉弟の関係が崩れ始める。弟はヒットマンにあこがれ、ヒットマンに弟子入りし、姉はヒットマンと寝る。しかしそのことを知った弟は、ヤクザの扱う、薬に女医とともに溺れる。ヤクザの若頭はそんな弟を助ける。ヤクザの親分は姉の中にある異常性(男と寝ると無意識に男を殺そうとする)に歓喜を覚える。

弟は、若頭、ヒットマンと行動を共にするが、その行動は親分を裏切りであった。親分に内緒で中国のマフィアと直接手を組み自らを大きくしようと企んでいた。しかし今度は若頭の方が薬でおかしくなってしまう。おかしくなってしまった揚げ句、手を組もうとしていたマフィアの親分を殺してしまう。自らも、ヒットマン、弟、姉と共に裏切りと破滅に向かっていく・・・

私が覚えているだけのストーリーですが、この映画の見所はいくつもあります。

まず、まるで初期の北野映画のような冷徹なバイオレンス。ものすごい緊張感。

なのにどこかワンシーン、ワンシーンが写真のようにスタイリッシュなセンス。これは最後の銃撃戦を見てもそうだが、本当に綺麗です。

途中、弟が薬中毒になり、若頭が独房に閉じこめ毒抜きをしている時も、弟の腕のみが独房の窓見扉からでてきて「薬ををくれ!」と腕だけで騒いでる姿も忘れられません。

たぶん薬中毒のシーンが多くでてくるので(しかも未成年!)なにか圧力がかかったのでは?(そんなことはないですね。)

役者にしても前にも書いたがこれだけシリアスな高田純次も見たことがない。

しかも当時ちょっと沈んでいた(?僕が勝手に思う)堤真一が、この年「弾丸ランナー」とともに浮き上がってくる直前の映画であること。そして石堂夏央、伊崎充則をあまり見なくなった作品としてとても印象深い。(まあそれよりも本当に映画がいい)

最後に野火明はどうしているのでしょうか?新作がまったく聞いていないけれど。一般映画は無理なのかな?

何しろ早く次回作が見たい監督の一人です。

映画もこのビデオ、DVD全盛の時代で、基本的に見ることができなく、そして再び見てみたいと思う映画です。

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2007年4月18日 (水)

傑作なのに知られていたない映画4 「紀子の食卓」 

<ネタばれがありますので注意してください。>

DVDで見ました。見たのが、先週の8日でしたので、記憶が残っているか、心配ですが。

それでも、どうして昨年この映画があまり取り上げられなかったのか、不思議である。

傑作だけどなかなか知られていないのである。監督があくまでインディペンデントにこだわっているのか。

監督は、園子温。この人も、風間詩織のようにPFFでスカラシップに選ばれた人。スカラシップで作った作品は、「自転車吐息」。一塁ベースの向こう側になにがあるのだろうか?この白線をたどっていくとどこにつくのか?ということをよく覚えている、感覚的な映画だったと思います。

その後「部屋」などを撮っていたのですが、前作「自殺サークル」がなんとも不思議な映画で、奇妙に、印象に残っているので、その姉妹編といわれる「紀子の食卓」は、どんなものでしょうと思い、見てみました。

話は、海の見える牧徳とした片田舎から、東京に紀子が出てきたことから、始まる。紀子の家は、ごく普通の田舎好きな父親、母親、妹と住んでいたのだが、こんな田舎がいやになり、東京に憧れる。そんなおりWEBであるサイト、「廃墟ドットコム」で交流していた「上野駅54番」を訪ねるために家出をする。

妹のユカも、姉が見ていたサイト「廃墟ドットコム」をみつけ、姉が書き込んでいたことを見つけ、さらに女子高校生54人集団自殺事件に、このサイトが関わっていることを知り、ユカも姉を追うように家出をする。

父親はユカが残したノートにより、「廃墟ドットコム」を見つける。そして、娘たちがなぜ、いなくなったか知ろうとするが、なかなか理解することが、できない。やがて二人の子供に家出をされたショックから、母親がノイローゼとなり、自殺してしまう。

父親は、ついに二人の娘を探しに東京へと旅立つ。

東京で紀子は、上野駅54番と会った。上野駅54番とは、駅のコインロッカーの番号で、実は上野54番とは、ここで拾われた人で親をしることのない女の人だった。

この人は、クミコと名乗り、紀子に自分の家族だという、やけに明るい人々を紹介される。

ここで、紀子は名前を捨てる。自分は書き込みをしていたハンドルネームのミツコを名乗るようになる。そして追ってきた妹のユカも、ヨーコと名前を変えて行動する。

クミコがやっていたのは、時間でいくら、といったレンタル家族だった。どうやらこれも廃墟ドットコムのサイトのバックグランドの組織が関わっているようだった。

父親はこのサイトの関係者を見つけ出す。そしてこの組織の人たちと会話をする。

「あなたは、あなたと関係がありますか?」なんて組織の人は変なことをいう。理解できない父親は、言い負かされてしまう。そこで父親は田舎の家とそっくりな家を都内でみつける。

そして、その家に自分の子供ふたりを子役に、クミコを母親役にレンタル家族を雇うのだった。

ついに家族はレンタルな形でそろうことになる。

そして父親はこの嘘なそして現実の家族とすごすことになる。しかし・・・

といったストーリーです。面白そうでしょ。実際おもしろいのです。

でもこれはこの映画のまだ消極的な一面にしか過ぎない。

実際にみてみるとわかるのだが、紀子の独白、ユカの独白、父親の独白をそれぞれに組み合わせて話が展開する。これが見事につながっていう。このあたり園監督は、天才だ。

ただ、自殺サークルの話を無理やりこんな話を合わせなくてもいい。

紀子役の吹石もすごくいい。演技賞ものだよ。嫌われ松子がなかったら吹石だね。怪しい女性クミコのうぐみもいい。妹役の吉高ってだれ?でもすごいヘタウマなのか、素の演技をしているのかわからない。ひょっとすると大竹しのぶ系の超レアな期待の新人かもしれませんね。

また、父親お光石研もいい。

2時間40分かかったがあまり長さ感じさせられなかった。

ちょっと暗いし、えぐいところがあるが、これは昨年の作品でのトップを争う作品である。

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2007年3月24日 (土)

映画 ドラマ 傑作なのに知られていない作品 「日曜日はおわらない」

さて、今回は、テレビドラマなのか、はたして映画なのか?

作ったのは、NHK。BSハイビジョン(そういえば、このハイビジョンって言っているのは、NHKだけですねぇ。)で1999年に一回放映されただけ。

その後地上波で放映されるはずだったのが、なぜかオクラ入り。

映画としては、カンヌ映画祭の「ある視点」部門に招待。シカゴ映画祭では国際批評家連盟賞受賞。そのた釜山映画祭など各国の映画祭に招待されるが、日本での上映は、

NHKアジア・フィルムフェスティバル(アフガン零年等や、ペパーミントキャンディで有名)で上映し、多摩の小さな映画祭にて上映されるだけで、助演の林由美香が急死のときに追悼上映で渋谷にて1週間程度のモーニングショーがありました。

僕がみたのは、3、4年前の多摩の映画祭にて町のホールで水橋研二の特集のときに見たのです。

まあ、NHKが放映できないわけもわかるなぁ~。なんて思ってしまった。殺人、ランパブ、パンツ、裸がでてくるから。しかも重要な要素で。

なにしろ、暗い。暗い話である。

水橋研二が主人公である。母の再婚。人がいいのに折り合わない義父。暗いランパブ中でのランパブ嬢との出会い。今度の日曜日に海に行こうと約束。しかし、彼女との約束は果たせない。次の日曜日はない。なぜなら主人公は義父を殺してしまったから。やがて出てくると本当の父はロケットつくりにのめんでいる。そしてランパブ嬢との再会。一緒に海にいき、海辺で二人だけで戯れる。

話は、なにも面白くない。しかし、この映画は、水橋研二の最高傑作。かれの素朴な感じ、自然な感じを見事に引き出しているのである。明らかにスクリーンの向こうには、そこには、普通の人がいる。

特に出てくるのが、自転車である。自転車で走りながら神戸の町や、橋をロングでとっているのがすごく美しい。まるでドキュメンタリーなのだが、すごく美しいのだ。

また、海岸で、ロングで林由美香と戯れるシーンもなにもないのに、すごい。当り前のショットなのに、すごく印象に残る。ロングショットなのだが、どんどん服を脱いでいって、二人でボールで遊んでいるだけである。見事なロケーションとカメラである。

でも、この映画の美しさと、なぜか心を打たれる感覚はたぶんほかの作品にはないだろう。映画を営業的観点で考えれば、この映画を配給する会社はないと思う。客が入るという要素が全くと言っていいほどないから。でも文化的観点からすると、この作品は定期的に1年に1回でも公開することが必要なのでは。

監督は、高橋陽一郎。前作「水の中の八月」(これも衝撃的なテレビドラマ。もはやテレビドラマの枠を超えている)でサンセバスチャン映画祭で、新人賞を受賞。いつも普通のNHKのディレクターで、朝のテレビ小説てるてる家族、やんちゃくれ等を作っていたりする。

ちなみに、この作品は、ビデオもなければ、DVDもない。これから先もDVD化をする予定もないそうだ。

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2007年1月 7日 (日)

映画 傑作なのに知られていない傑作映画2 「赤ちゃん泥棒」

「バートン・フィンク」、「ミラーズ・クロッシング」のジョエル&イーサン・コーエン兄弟の映画で、「赤ちゃん泥棒」を紹介します。

とくに知られていない映画というわけでもないと思いますが、ニコラス・ケイジ、ホリーハンターが主演で、すごく面白いのに、みんな見ようとしない。

これは、なぜか?個人的見解からすれば一重に題名が悪いからだと思います。僕も深夜のテレビでたまたま見なければ、とても映画館に行ってみようとは思わないし、ビデオを借りようともせず、パッケージの前を素通りするだけでした。

これが本当に面白い。

ある泥棒常習犯のニコラス・ケイジと、婦人警官で犯人の写真を撮るホリーハンターが、何回も写真を撮っていると、お互い愛するようになり、結婚する。しかし、子供が欲しいができない。医者に行ってみると子供ができにくい体とのこと。二人が悲しみにくれているとき、大金持ちの家具屋に五つ子が生まれたというニュースが流れる。彼らは、そのうちの一人を奪いにいく、というところで、「Razing Arizona」とタイトルがやっと流れる。

このタイトルに行くまでもすごくテンポがいい。ワンカット2秒から3秒のシーンをバンバンと切り返し、カントリーミュージック風の音楽とニコラス・ケイジナレーションが流れる。

この作品をはじめて見たときには、このファーストシーンだけでやられた。これも個人的な見解ですが、いい映画は大抵ファーストシーンがどんな形でもひきつけられる。

それが大きく感じられるファーストシーンの展開でした。

その後は、盗んできた赤ちゃん、そして脱獄してきたニコラス・ケイジのかつての仲間(ジョン・グッドマンの異常ぶりがすばらしい!!)が強盗に巻き込まれたり、ニコラス・ケイジの上司との絡みなどすごく笑える。

にも関わらずすごいのは、縦横無尽に駆け抜けるカメラワーク。どうやって撮影したのか、と思えるカットばかり。手持ちのスティディカムをバリバリに使い、なおかつクレーンでの移動撮影。そこで巻き起こる銀行強盗、赤ちゃん強奪、スピーディな展開にうまく相乗してる。しかも、スピーディなのに、赤ちゃんの無垢さがなんともいえない。

ラストも落ちがあり、すぐれたペーソスを持っている。

こんなに面白いのに、なぜあまり知られていないか?やはり題名かな。

といってもいい題名が僕には思いつかないが。

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2006年11月28日 (火)

映画 傑作なのに知られていない傑作映画1 「ダスト」

みゅうは先々週から先週にかけて引越しを行いました。

なんと引越しは大変なものなのでしょう。

荷物を運ぶことより、選別して捨てる、という作業があまりにもつらい。

まあ、引越し先も狭いことであるし、将来を考えればお荷物になるのは、「キネマ旬報」約10年分+アルファ(特集号25年分)

約10年前に引越しをしたときにそれ以前の15年分のキネマ旬報を捨ててしまったのです。そのときにはオールタイムベストテン、毎年のベストテン特集号を残していたのですが、今回はそれもちょっとと考えて捨ててしまったのです。

持って行くわけには、いかないのでした。今回の引越しで捨てようと覚悟はできていたのですが、いざ捨てるとなると、思い切りが必要でした。

古いキネ旬を積み重ねて、紐で結ぶ。それをゴミ捨て場に持っていく。

つらい作業でした。いや苦痛でした。

まあ、そんなこんなで、引越しも終わったのですが、そんな体力的にも、精神的にもつかれた状態で新宿ミラノ座に行き「クイーン・ライブ・イン・ブタペスト フレディーマーキュリー追悼15周年」と引き続き「ムーンライダース」30周年コンサートに渋谷CCレモンホール(いつから渋谷公会堂がこんな名前になったんだ!!!!)に行ってきてしまった。このことは後ほどブログに上げるとして、当日の夜から、思い切り高熱が出てきてしまったのです。現在4日目でした。

熱覚ましの薬と汗と高熱と格闘する毎日になってしまった。

そこで古いキネ旬との決別の思いを断ち切るため、まあ「知られていない傑作映画」シリーズを出そうと思います。

あまり知られていない映画で「ダスト」という映画があります。日本では2002年公開です。

私は2001年に東京国際映画祭が初見でした。まあすごい映画だと思ったものです。

現代のニューヨーク。老婆の家に強盗に入った黒人は、古い銃を持つ老婆に逆に脅され、「私の話を聞いたら、ここの部屋の中にある金貨のありかを教えてあげる」いわれ老婆の100年前のある兄弟ガンマンの話を聞かされる。この兄弟ガンマンの話がすごい。

初めはしぶしぶ聞いていたのだが、だんだんのめりこんでいく黒人。金貨のありかを知りたいということ、悪徳警官から金をせびられていることから、老婆が話の途中で心臓発作を起こしても、救急車を呼んで息子を装い、病院で話の続きを聞く黒人。

兄はマケドニアに行き、賞金稼ぎとなる。しかし弟はそんな兄に対し銃を向ける。

まあ、ここからがマケドニアの革命戦死たち、ガンマン兄弟、トルコ軍が絡んできて、一気に壮大なストーリーとなる。

しかし話しの途中で老婆は死んでしまう。金貨を見つけた黒人は老婆の骨を持って、マケドニアに向かう。その飛行機の中で、隣にいた女性から「その骨はだれの?」といわれ、話の続きを黒人が勝ってに作り語る。

このストーリ展開は、すごいもので現代と100年前を行ったりきたり、しかも一息もいれない。しかもすごく面白い。この映画のすごいところは、過去の話しを映像化しているのではない。人が都合のいいように作り上げていく話し。話しの切れ端に嘘があり、その嘘も含めて話は進んでいく。もしかするとこれは嘘の上塗りの話?でも先が聞きたい。そんな映画なのだ。

つまり構成が見事だけでなく、そこにはかなさも持ち合わせている。たとえば、結局この老婆はさみしく死んでいくだけなのか。いや黒人に看取られていた。でもそれが一国を左右した子供の末裔なのか??

いろいろ考えさせられる。とまあ難しく考えなくても、とてもファンキーな映画で飽きません。

監督は「ビフォー・ザ・レイン」というとても不思議なぐるぐる回りのオブニバス映画を作ったマケドニアの名匠ミルチョ・マンチェフスキー。

あまり知られていないのは、スター俳優がでていないため。雄いつの知っているのは兄弟ガンマンの弟が「ロード・オブ・ザ・リング」の第2部から出てくるファミリア役で出ていた人。

また、実はマケドニアって国がどこにあるか知っている日本人はどれだけいるででしょうか?(正直私は知らなかったさ!!)国際紛争で有名なバルカン半島の旧ユーゴスラビアなのですね。

日本人にいくら監督がミルチョ・マンチェフスキーだからといっても、知っている人はかなり達人の映画好きの人だけ。

どこをとっても知名度がないので宣伝のしようがなかったのですね。不思議なのは、なぜ映画評論家もあまりみていないのだろうか?試写会等も開かれなかったのかな。みていればキネ旬の上位には必ず入る映画であることは間違いない。

でも面白いですよ。この映画。血湧き肉踊る冒険と、正義と裏切りと復讐、そして政治紛争までが、うまくからんでいて、難しくない。なぜなら人が話している話を聞くように見れるのだから。

僕は近年にない傑作とおもっている。

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