2011年11月13日 (日)

恋の罪 東電OL事件は、フィクションになると複数の女性が登場する。

池袋シネ・リーブルでみる。
園子温監督の新作をみました。
あいかわらず、饒舌で人の神経を逆なでしながら、傑作を作る人ですね。
話としては、当たり前でよくある話であるが、いちいち、映像的な迫力を持って詩的に本題にきりこんでいく。
東電OLの話が基本となっているが、話的には全く違い、単に、インスパイアを受けただけで、設定も、有名大学助教授となっています。
この話にインスパイアされたのは、グロテスクと言う小説もありますが、必ず他に二人女性がでてくる。
対象的なまじめな人と、言うよりは、いずれも心に影があり、それを隠している人たちである。
最終的には、スポットがあたるのは、みんなになるが、そうでないと、描ききれないのだろう。
それだけ心の闇が、大きく深い事件だったのですね。

いつも思うのですが、映像、内容が好みでなく、腹立たしさまで感じるのに、最近では毎回その年のベストワンである。
我々の魂の奥底にある、見えないものを見せてくれているからだろう。

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2011年5月 5日 (木)

「浮雲」と「流れる」 超満員の西武ドーム、高齢者が超満員の新文芸座

西武ファン3万人の大観衆がひいてしまうほどの衝撃的な満塁ホームランによる、普通では考えられないエースの試合の大逆転負けの後、再び5月4日も西武ドームへ行き、今日こそは、と思っていたのですが、ライオンズは結局、石井一久が2回から崩壊。3回持たず降板すると、やはりその後もまるで、ロッテの打撃練習と応援練習の場になり、試合時間の70%が、ロッテの攻撃の時間だったのではと思い、あ~もう今シーズンは早い終わりだなと、感じてしまったのです。

傷心の心のまま、このまま家に帰ってもつまらないと思い、池袋についたところで、新文芸座に寄りました。すると上映していたのが、高峰秀子追悼特集の最終日で、「浮雲」、「流れる」やっていました。

両作品とも日本映画ではなくてはならない名作と聞いていて、見たこともないのし、入れ替えの時間もぴったりなので見ることに決めました。

びっくりしたのが、観客数でした。まず切符を買いに3Fロビーにいくと、すでにロビーはいっぱいで、階段にならんでください、とのこと。しかも前の回は立ち見とのこと。とりあえず切符を買って並んでいて気づいたのですが、明らかに高年齢層。というか平均年齢60オーバーの人々ですね。あきらかに私の母の年齢に近い人たちですが、しっかり階段に並んでいます。きっと昔シネコンになる前に映画を見るときには並んでいた人たちなのだろう。なんと前の回に入れ替えに時間が掛かってしまったので、10分ほど時間が押しているということ。僕も階段で並んでいましたが、私が見えるとところから、某大女優(しかも大御所!)の方が見えました。声のじも間違いないでしょう。でも階段にみんなと一緒に並んでいて、明らかにこの映画を見るのを楽しみにしているようでしたので、声をかけるのはやめました。

さて、やっと入れるようになりました。私は、どちらかというと早かったほうみたいで座席は取ることができましたが、何人か座席が見当たらなく探している人たちがいました。まあ若い人っぽいのでいいか。

何しろ満席!!立ち見!しかもどう見ても60オーバーの年齢の方たち。昨日の西武ドームを思い出し、満員御礼だ!!そんなときに昨日の満員の観客をしらけさせた相手チームの満塁ホームランを思い出す。今日の映画は大丈夫だろうか?

映画が始まった最初は「浮雲」から。高峰秀子は何しろ綺麗で、奇妙な色男と堕ちていく女を見事に演じる。この原作も読んではいないが、この男に絡んで、運命とはいいつつ、3人の女性の死がある。でもこれがあまり浮き彫りの差が激しい。本妻が亡くなっても、愛人が元夫に殺されたほうに思い入れが深い。しかも高峰秀子にも好きな思いを転がしている。まあなんともうらやましい限りである。わたしは、この手の映画を見るとすぐに退屈になるのですが、しかしこの映画を見ていて飽きさせない。なぜだろうと思ったのですが、脚本の構成がうまいのですね。時々入るハノイ時代の輝かしく生きている二人。今にも自殺をしようとする二人。明るさと暗さをうまく対応させて、このあたりが成瀬監督の妙ですね。

次の映画「流れる」も面白かった。こちらは大川端の花町で、時代の変化ととも生きていく芸者さん一家を描いた作品でした。これは本当に芸者連中のみでなく、そこにくる女中さんが、恐ろしく気の利く、腰の低い女中さんで、どこかで見たことあるなと思ったら、田中絹代ですね。こちらも話しに飽きがこない。なんといってもキャラクターが際立っていいですね。芸者屋の女将に山田五十鈴。ザ・芸者といえる芸達者なキャラが一目瞭然。その娘で芸者にならなかった高峰秀子。その芸者屋に長くいて、なんとも年取った芸者が杉村春子。このあたりもいい味をだしている。ビスコンティではないが、古き良き時代が次第に失われていく寂しい背景を持ちながら、コミカルに話を進めていくのがすごい。

すこし、これで満員の西武ドームでしらけてしまった感じが、満員の新文芸座で救われた気がします。

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2010年11月27日 (土)

冷たい熱帯魚

東京フィルメックス映画祭に行ってきました。いや〜園子温の新作、冷たい熱帯魚をみてきたのですが、やはり、凄まじい。ネタバレになってしまわぬように、単語だけ集めると、
実際の事件を扱った映画ですが、気の弱い父親、犯罪、多弁、家族、崩壊、血、血、エロス、十字架、キリスト像、といった園子温のアイテムのオンパレード。
やはりメッセージは、強い。特筆なのは、でんでんの見事な残忍な犯罪者ぶりの演技。一世一代の演技でしょう。
他でこんな演技は見たことがない。
最初はなんだかあまりよくわからなかったけど、途中から残酷だけど目が離せない展開に圧倒されます。主人公の巻き込まれようと、気の弱さ、対照的な、でんでんのとぼけ方は、残酷だけれど、目を覆うというよりは、つき抜けて笑ってしまいます。

来年の問題作の一つに、なるのは間違いないでしょう。

黒沢あすかと、神楽坂恵は妙にエロかった。二人が血のグロさを、余計に濃くしていた。吹越はさすがうまい。

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2010年11月 7日 (日)

Q10 鉄塔とその周辺

前にも書いたが、Q10で出てくる鉄塔は我が家から、ほんのすぐ5分くらいのところにある。このドラマの学校の設定も鹿浜橋高校となっており(こんな高校はない)鹿浜橋(これは実在しております)がよく出てくるので、特に場所について、隠すことはしなくていいのかなと思っております。

とりあえず鉄塔はこんな形です

Tou1

鉄塔といえば、「鉄塔武蔵野線」がとても印象的でした。

あの伊藤敦もまだ、子供の小学生でした。いまや和久さんの甥っ子で、警視庁ですものね。

この作者(木皿泉さん)はこの作品に少し影響を受けているのではないでしょうか?第二回のときにちょっと感じました。

鉄塔武蔵野線では、73号の鉄塔を見つけた伊藤君が、この町を離れるにいたって、かつて父親とパワーが満ちているといわれたて鉄塔の中心の真下にビンの王冠を埋めていく。それを73号から1号までをたどっていく毎に子供が大人になっていく。といった話でした。

さて鉄塔の中です。

Tou2

その中心の下には、こんな物がありました。

Hei1

これは、だれかファンが作ったのかもしれませんが、なかなか洒落ております。その近くには、

Atsu

また、だれかAKBのファンが来たのですね。

近くの鹿浜橋ですが、

Shika

荒川ですが、ここは、海から20kmぐらいあるのですが、満潮になると船着場が沈んでしまいます。なんかこれはまったく関係ないけれど、象徴的な風景でしたので。

最後は第二話のラストで歩いていた土手です。下からですが、きれいでしたので。

Dote

こんな感じでした。都合が悪いことがありましたら、削除します。

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2010年10月23日 (土)

Q10 第1、2話 木皿 泉という作家

Q10 をみました。

AKB48の前田が出演していることから話題になっているドラマですが、たまたま特に何の気なしに先週から見始めたのですが、脚本が木皿 泉なのですね!!!おもわず半年以上も書いていないブログを書いてしまいました。

これは、あぶなく見逃すところでした。確かセクシーボイス&ロボ以来の脚本作品ですね。

木皿 泉は小林聡美主演のドラマで、個性的なキャラクターを少し日常的に、少し楽しく、少しファンタジックに、そしてすこし切なく描いた「すいか」の脚本家ですね。この作品で向田邦子脚本賞、ギャラクシー賞を受賞。つまり脚本家の大御所になったわけです。しかしその後といえば、2年くらい後に「野ブタをプロデュース。」(これも傑作!)の脚本を担当し、さらに2年後に「セクシーボイスアンドロボ」を書いております。

あれから3年くらいたっていたのですが、不意を打たれました。

それにしても、この作家は寡作ですね。しかも結構謎です。そもそも夫婦で書いているようで、奥さんは妻鹿年季子という作家名で書いていまして、「やっぱり猫が好き」などを書いていましたが、そのうち木皿 泉で統一されております。

なんか、あまり写真なんかもないので、僕なんかは、だれか有名な別な脚本家が別名で書いているのではなんて思ってしまいます。もしくは有名な作家とか、俳優とか。

そんなことを思っていたのですが、ちがいますよね。なぜなら、やはり新作「Q10」を見ても、「すいか」を見ても、「野ぶたをプロデュース」を見てもやはり、他にはない、木皿 泉節が炸裂している。このレベルはもう作家のレベルだと思っております。

さりげない日常の中の、さりげない痛みをもつ心をやんわりと、しかしダーツの的の真ん中を針を刺すようにテーマ性をとらえて、見事に見ている人の心をとらえる力を持っている。

人魚姫といわれて、好きな男の前で、海に飛び込み、私は人魚だから、一緒の世界には入れない。という場面なんかは心を打つ。

なにしろ、これからは土曜日が楽しみである。

Q10役の前田敦子は、「あしたの私のつくりかた」で、すでに準主役をやっていたので、演技も問題ないと思うが、ロボット役はやはりむずかしいよね。そういえば「空気人形」でペ、ドゥナが、ダッチワイフ役を自然にやっていた。やはりあのしゃべり方はすこし無理があるかもしれない。たぶん回をを追うごとに楽しくなるでしょう。

なにしろ、これからはしばらく土曜日が楽しみである。

ps。ロケ地について少々

以前住んでいた、赤羽の町の商店街が出てきている。すごく懐かしい。おそらくあそこの街を選んだのは、すごく人間っぽい街並みをえらんだのだろう。

強いていうと、最後にでてきた荒川の土手は、なんと私の今住んでいるところの目の前だ!!!

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2010年1月 4日 (月)

備忘 鬼畜

これもWOWOWで見ました。

僕の幼い頃の町並みがいくつか見れたのですごく懐かしい感じがしました。

ところで最近見た松本清張の映画は総て舞台が北陸の日本海の崖近辺がメインなのでビックリしております。まあしかしこの映画、酷い親達ですよね。しかもいくら愛人の子とはいえ、あの虐待も血も涙もない、本当に鬼畜なのかもしれませんね。

ちょっと怖かったです。

さて残る松本清張ものは、天城越えのテレビ版だけです。

これは大谷直子と、鶴見真吾で和田勉演出ですね。映画版とはちょっと趣が違いますね。久々に見るので楽しみです。

話は変わりますが、石川さゆりの天城越えは全く関係ないけれど、歌の感じがちょっといやらしいですよね。でも女性はよくカラオケで歌いますね。やはりうさをはらすには、ちょっといやらしい艶やかさが歌のなかにないと駄目なのですね。しかも覚えやすく、地名、名所が艶やかにリズムに乗っていくことが必要ななのかな。

ある人が西方面での地名の天城越えの歌を作ってみたいなんて言っていたけれどそう簡単にはできないですよね。

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2010年1月 2日 (土)

備忘 2009年12月 「空気人形」「アバター」「パブリックエネミーズ」

備忘録

夏から秋にかけて、引っ越しをして、さらに年末になり、激務となり、海外出張もいけず、ただ仕事でした。(まあ引っ越し先が快適ですのでいいけれど)

そんなこんなで年末を迎えてしまいましたが、覚えているうちに書いておきます。

「空気人形」

ファンタジックでとても面白かったです。

ARATAって最近あんな役をみますね。だんだん西島秀俊になってきたかな。この手の映画を出ていますよね。

是枝監督の作品で好きなのは、「ワンダフル・ライフ」というのが好きでしたが、これも同じくらい好きですね。

主演のぺ・ドゥナは、「吠える犬は・・」の時からのファンなのです。日本語がタドタドしい、のが自然でした。

まあ、ラストは世にも奇妙な世界ちっくだけどね。おもしろかったです。

「アバター」(西新井 TOHOシネマズ)

3Dで見ましたが、3Dって途中であまり気にならなくなりますね。

恐ろしく映像は奇麗で、有名な画家の絵をずっとみているような感覚に襲われました。

たぶん、何回もみると思いますが、話の内容はそれほどでもなくどこかで聞いたような話でしたね。基本的に、「ナウシカ」+「ラピュタ」+「もののけ姫」+西部劇でインディアンに肩入れするアメリカ人の話(ダンスウィズウルブス等)といえば、すべてかもしれない。

しかし、この映像は本当に革命的で、ほとんどがCGなんですよね。ある意味アニメの先にあるもの、または実写の先にあるものと言っていいかもしれませんね。

「パブリック・エネミーズ」(川口 MOVIX)

期待しなかっただけ、面白かったのは僕だけでしょうか?どこがおもしろかったか?それは、時代を感じさせ、ギャングの内面に大きく入って、しかもエンターテイメイントであったからです。

久々のギャング映画で、時代を感じさせるものでした。

最近のギャング映画では「ロード トゥ パーデェーション」以来の良さでした。

以外にクリスチャン・ベールがよかった。

これももう一回みよう。

「砂の器」(WOWOW)

久々に見ましたが、5.1Ch放送には驚きました。当時は2chか、4chしかなかったはず。のちにRemixしたのですね。島田陽子のきれいさとはかなさ、緒方拳のこれまでにないほどのいい人が殺される話はたまらないです。やはり特に後半の旅のシーンに重なる宿命の音楽は圧巻。昔に見たより、なぜか感情移入をしてしまった。それはなぜか。きっと前に見たときより、遥かに人生経験を積んでつらいこと、悲しいことがあったからだろうと切に思う。

「飢餓海峡」(WOWOW)

こちらも久々にみましたが、自分のテレビがHVになって42インチの大きさになったので、HV放送でみるのは初めてでした。ワイドスクリーンのHV放送は、すばらしいですね。こちらの作品も何回も見ているのですが、本当に引き込まれてしまう。すごい迫力のある映画ですよね。左幸子もまさに適役です。この人は「にっぽん昆虫記」でもリアルな役柄でしたが、本当に本人かと思うほどでした。三国連太郎も最高ですね。

「ゼロの焦点」(WOWOW)

これは、先ほど公開したものではなく、1961年久我美子主演版です。まったく予備知識なしでみていたのですが、これ以前にテレビドラマで見たことのある話だと思いました。でもなかなか引き込まれました。昨年さる用事で金沢と和倉温泉と能登島に行ってきたので、なんかすごく身近に感じられました。しかし白黒で、日本海のそこはかとない暗さが、とても感じが出ていました。

「真木栗ノ穴」(WOWOW)

やはり西島秀俊の作品は外れがない!という伝説は私が言っているだけでしょうか。基本的には怪奇映画のジャンルになるんでしょうが、面白かったです。なんといっても久々に主演女優をやっているのを見た粟田麗ですね。いや、この人年をとった。昔はただかわいいだけだったけれど、ちょっと今回いやらしくしていますよね。粟田麗は「東京兄弟」の時にヌードになっていますが、あのときは、確か行水のみだったので、いやらしくは感じられませんでした。今回はチラ見で、みえないけれど、見えているよりエッチな感じです。おそらくこれは監督の演出力が成功していると思います。カメラがやけにうまいので誰かと思ったら、高間賢治でした。どうりでうまいはずだ。

なにしろ粟田麗は最近は目立って見ていないので、久々にまともに映画にでている彼女を見れて素直にすごくうれしいと思っています。まあこの映画も目立っている映画というわけではないですが。

なんかもっと見ていたような気がしますが、久々の休みに眠くなって寝てばかりいます。

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2009年9月22日 (火)

映画 「BALLAD 名もなき恋のうた」

「BALLAD 名もなき恋のうた」を見ました。

<おもいっきりネタばれあります。>

池袋サンシャイン4番館

客はすごくすくないかな。ゆったりとみれました。

久々に映画館で見た気がする。しかたないかな。野球も忙しいし。

「クレヨンしんちゃん あっぱれ戦国大合戦」(原作者 合掌しこころより追悼します。)

を見ていたので、大体話は同じかなとおもったら、ほとんど同じでした。

もともと、「あっぱれ・・」の方は、職場の先輩が、子供と一緒に恒例のクレヨンしんちゃんの映画を見に行ったら、ラスト、涙がとまらなかった。となんにも映画に関係がない人からのコメントをもらい、本当かと思ってみてみたら、不覚にも泣いてしまった。その先輩は実はその前の作品も「オトナ帝国の逆襲」も泣いてしまったとのこと。

しかも、当時映画の友達で、時代劇が好きな人がいて、「あの映画の時代考証は、半端でない」などと発言しており、さらに気になっていたのです。

そんな「あっぱれ・・」が映画化になり、簾姫がガッキーがやるというではないか!

期待が高まる中、どうかと思って見てみました。

正直、期待以上でも以下でもなかったですね。

青空侍と、キンチョウがなくっていたのは残念かな。

でも、ガッキーの姫姿は、よかった。

それだけでもいいかな。(完全オヤジなっている!!)

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2009年9月 1日 (火)

備忘 8月下旬 「闇の子供たち」「オリオン座からの招待状」

最近映画館に行っていません・・・・。

もしかして、大きな大きな変化があるかもしれないので。

まあ、家で映画をみるのもいいか。WOWOWやテレビで気軽に録画したものをみる。

でも、夏休みの宿題は終わらない。

「闇の子供たち」<ネタばれ注意ですよ>

こちらは、「血と骨」の原作者のタイでの臓器売買を扱った映画ということ以外は知らなかったけれど、見ているとかなり厚い映画だと思え、阪本監督の映画だったのか、ということで納得。それならばこのレベルは間違いないかな。臓器売買だけでなく、児童売春、エイズ、タイでのボランティア活動等の話が盛りだくさん。しかしテーマは、弱いものにとって平和な世の中とは、といったごく単純でいて難しいものに、あえて挑戦している。

この映画、子供を扱っているが、見る人によってはかなり目をそむけたくなるような映画です。結構ストレートな表現にはびっくり。あくまでも現実から目をそむけてはいけない、リアリズムを基本としたのだろう。いろんな批判はあるかもしれないが、この姿勢と勇気には拍手を送りたい。私としては、親から児童買春宿に売りとばらされ、エイズになった子供がゴミに袋に入れられて、ゴミの中に捨てられて、なんとか自力で実家に帰っり、でも外に格子の小屋を建てられ、その中であえなく死んで、小屋ごと燃やされるシーンが心に残る。

また最後に今まで出てきた、児童暴行癖のある外国人がオールスターで捕まっているところはさすがに笑みがこぼれてしまった。まあ気持の問題ですよね。それにしても、宮崎あおいの前半部分の青臭いボランティアを演じた演技と、子供のためにと考えている佐藤浩一、客観的に取材しようとする江口洋介、自分の子供を守りたい墨田ユキのスパーク的な演技はとても厚みあり、見ごたえあり。

ラストの江口の、あれ、そうだったの・・というのは、もっと前に判ってもいいのではないかとも思います。また、児童虐待の新聞の真ん中に、鏡があり、そこに妻夫木と豊原が映るシーンは、誰でもこうなるんだぞ、となんとも象徴的。まあ原作を読んでみたくなったので、今度読んでみます。

「オリオン座から招待状」

一昨年の東京国際映画祭で見ましたが、再度BSJで放送がやっていたので、見てしまいました。

とても丁寧なのですね。映画館のセットがすごく素晴らしい。自然光のような光が、白いブラウスの宮沢りえに、照っているだけで映画だな、って思ってしまう。

話はどこにでもあるような、ニューシネマパラダイスのような、それでいて一途な愛の映画でした。

それにしてもどうやっても、あの時代で映画館が生き続けられないでしょう。PINKもかけなかったというから。名画座だけではなかなか難しいでしょう。そのあたりはちょっとリアルさが足りなかったと思う。

でも、音楽、画調、役者さん、台詞、みんなとても好きです。一番でもないけれど、とても心に残ります。

監督はあの、伝説のNKHテレビドラマ「安寿子の靴」「匂いガラス」「雨月の使者」の演出家の三枝健起ですね。途中、宮沢りえが主人の骨を持って欄干のない木の橋は「もどり橋」に出てきた橋ですね。とてもなつかしいです。そういえば「もどり橋」に出ていた樋口可南子も出演しています。

宮沢りえとは、「緑の果て」を最初に「青春牡丹灯籠」と題名をわすれたけれど、シーボルトの娘のドラマ、そして大河ドラマの「太平記」で、三枝監督と一緒です。樋口可南子とは「もどり橋」「冬の魔術師」で三枝監督と一緒です。

まあ、つぎの三枝監督の映画を楽しみにしております。久々に唐十郎と作らないかな。

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2009年5月 8日 (金)

映画 東亜優(ヒガシアユ)に期待

GW中に見た「赤い文化住宅の初子」で見た東亜優が気になり、つづいてケーブルテレビで放送された、「16」も見た。

いままで見てきた、多くの大物女優さんが、初々しい時にそうだったように、東亜優も、そこに立っている姿が、生まれながらの女優である。

これまで同じ様に思ったのが、「愛のむきだし」の満島ひかり、「カナリア」の谷村美月、「檸檬のころ」の栄倉奈々、「ジョブナイル」の鈴木杏、「紀子の食卓」の吉高由里子、、「ユリイカ」の時の宮崎あおい、ちょっとまえだと「バタアシ金魚」の高岡早紀、映画とはちがうけれど、「匂いガラス」の仙道敦子、「1999年の夏休み」の深津絵里、みんなみんな凄い存在感と、立ち姿が少女でありながら、まさに女優であった。

「16」は仮想ドキュメンタリーのような手法で、実際に田舎から出てきて、プロダクションに所属し、「赤い文化住宅の初子」のオーディションの場面や、撮影風景もでてきます。でも16の時でないと撮れない少女の女優が生まれる瞬間を良く収めているとおもいます。

これは、「赤い文化住宅の初子」を見てからの方がいいかもしれませんね。

逆に「16」から見るのはちょっとつらいかもしれません。

どっちにしても、次にどうような作品にでるのかは楽しみですね。

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